ロボットと聞くと皆さんはどのような形のものをイメージするでしょうか。おそらく多くの人は、人間の形をした不器用に動くものを想像すると思います。
しかし、実は世の中には魚の形をしたロボットが存在していることをご存知でしょうか。今回は、尾びれを使ってリアルに泳ぐ姿がまるで本物のような魚型のロボット「MIRO(マイロ)-5」を紹介します。
イベントや飲食店で見かけたことがある人もいるかもしれません。誰もが驚くその動きと特徴について詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
MIRO-5とは?
MIRO-5というインパクト抜群の魚型ロボットについて日本のものだと持っている人も多いかも知れませんが、実は韓国の企業が開発したロボットです。
AIが搭載されたこの魚ロボットは、赤外線センサーで互いにぶつからないように動き回り、充電式で自律的に泳ぎます。
加えて、スマートフォンの専用アプリによっても操作が可能で、まるでラジコンのように水中のMIRO-5を自由自在に操ることができます。
サイズは200mm×190mm×45mm、重さは225g。手のひらに乗るコンパクトなサイズ感も魅力で、透明な体で水中を泳ぐ姿は涼やか。バッテリーは2,000mAhを搭載し、連続で約8時間の稼働を可能にしています。
2019年5月に発売され、現在はすでに後継モデルとなるMIRO-9やMIRO-7など新たなモデルも登場しています。
水中を優雅に泳ぐ姿はまさに本物の魚そのもので、ペットとして熱帯魚を飼うよりも維持費もかからず、おすすめといえるかもしれません。
MIRO-5の動きがすごい!
MIRO-5の特徴はなんといってもその動きにあります。
AIで学習しながらすいすいと泳ぎ続けることが出来るということで、その涼しげな姿にはつい目を奪われてしまいます。
胴体部分には関節が2つあり、本物の魚のようなリアルな動きを再現しています。
見た目は全体的に透明な色合いで、動きは本物の魚のようですが色や質感は非現実な仕上がりになっています。深海魚のようなクラゲのような、水中を泳ぐ姿はまさに神秘的です。
というのも、最初は見た目もリアルな魚のウロコ柄だったそうなんですが、「気持ち悪い」という感想があり、今のようなデザインになったのだとか。あまりにもリアルすぎると不気味に感じるのかも知れません。
自動遊泳させるだけでなく、Bluetoothで通信しスマホやパソコンから操縦することもできるのは、エンタメ性から見ても魅力的です。イベントなどで体験型のアトラクションとしても活躍するのではないでしょうか。
MIRO-5の今後の可能性
MIRO-5の主な用途としては観賞用ですが、災害用にその技術を活かすことができれば実用的な用途に応用できるかもしれません。今は手のひらに乗る小さなサイズですが、ボディが大きくなると海難事故の救助に応用できる可能性も出てきます。
実際にMIRO-5のほかにも、MIRO-7やMIRO-9といったさらに大型のロボットフィッシュも開発しており、今後の活躍が期待できます。
さらに、サメなどの大きい物や群れで泳ぐものを今後開発してくような情報もあり、ロボットフィッシュの水族館ができたら面白そうですね。
開発元であるAIRO社の公式サイトにはMIRO-9とMIRO-7の情報も掲載されています。MIRO-5は熱帯魚のような形状をしているのに対し、MIRO-9とMIRO-7は錦鯉のような大型のサイズのロボットフィッシュになっており、その動きも非常にリアル。
池に放たれている姿を見ても一見ロボットには見えないかもしれません。
MIROシリーズの動きの秘密
そもそもなぜMIROはこれほどまでにリアルな魚の動きを見せることができているのでしょうか。その秘密を探っていくと、MIROの設計が鍵を握っていることが分かります。
まず、MIROシリーズは合計7つのブロックのパーツに分類することができます。魚の頭部にあたる「メインブロック」、胸の部分にあたる「1関節ブロック」、お尻の部分にあたる「2関節ブロック」、背びれの部分にあたる「スイッチブロック」と「リンクブロック」、そして腹びれの部分にあたる「リンク1ブロック」と「リンク2ブロック」です。
これらのパーツがそれぞれ独立して動くことによって、魚独特のリアルな動きを表現することに成功しています。
実際の生きた魚を見てみても、実はそれぞれのパーツの筋肉が動くことによって泳いでいることが分かります。
そして、メインブロックにある目の部分にはセンサーが内蔵されており、前方と左右に障害物がないかなどを検知する仕組みとなっています。
ちなみに、MIRO-5に何らかのトラブルがあった場合であっても、それぞれの独立したブロックを交換するだけでメンテナンスが可能になっています。
新品を購入した際にも、1関節ブロックと2関節ブロックの交換用ブロックが同梱されており、万が一のときにも安心です。
また、それぞれの関節ブロックはメタルギアで制作されており、極めて高い耐久性も誇ります。水中で動作するロボットだからこそ、何よりも耐久性は注意しておきたい部分ではないでしょうか。
MIROの値段は?
気になるMIROのお値段ですが、価格は64,800円(税込)。小型のロボットのため比較的手頃な価格帯といえるのではないでしょうか。
日本で購入したのはホテルやお寿司屋さんだそうで、やはりインテリアとしての需要が高いようです。それにしても、まさかお寿司屋さんが購入するという発想には驚きを隠せません。
しかし、お店に来店したお客さんはびっくりして喜ぶかもしれません。おそらく最初は本物の魚に見えるはずなので、「珍しい魚だな」と思っていたら、実はロボットだったというオチがついてくる。そしてなんといっても話題性があります。
初めて来店したお客さんとのコミュニケーションのきっかけ作りにMIRO-5は重宝するはずです。和やかなムードで接客ができ、顧客満足度も向上していくのではないかと期待できます。
店舗以外の用途としては、イベントやお祭りでの需要が多いのだそうで、今後目にする機会も増えてくるかも知れませんね。
ちなみに、ペットとして鯉や熱帯魚などを飼おうと検討している方にとっても、MIRO-5はおすすめできます。64,800円という価格は熱帯魚としては高いと感じてしまいますが、毎日の餌やりや水の交換、温度管理などの手間が必要ないと考えると決して高くはないかもしれません。
むしろ毎月かかるエサ代やメンテナンス費も考慮すると、トータルで考えて安上がりになる可能性もあります。ペットの飼育が禁止されている賃貸アパートやマンションはもちろん、生き物を飼う自信がない方にもぜひおすすめしたいロボットです。
ちなみに余談ですが、MIRO-5を見て人気漫画の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で錦鯉のロボットが出てくるシーンを思い出した人も多いのではないでしょうか?
両さんが大原部長の大事な錦鯉を逃がしてしまい、それをごまかすために中川エレクトロ事業部開発の魚ロボットで忠実に再現しようとする荒唐無稽なエピソードですが、本当にフィッシュロボットが誕生する時代になったのだと感じる人も多いと思います。
まとめ
マンガやアニメの世界で描かれてきた世界も、もうすぐ現実のものになろうとしています。